2020-01-20

ベルリン1919 赤い水兵(上)
ベルリン1919 赤い水兵(下)
クラウス・コルドン(作)、酒寄進一(訳)
岩波少年文庫

児童向け作品ということで、舞台である1919年ごろのベルリンの状況についてもとても自然に解説されていて、高校で暗記した「1919ワイマール憲法」以外の知識がなかった自分でも、問題なく読めました。また児童向け作品とはいえ、労働者一家の少年の目から描かれる生活や政治の風景は、約100年後の日本にいる自分から見てかなり身近に感じられたので、大人が読んでも面白いと思います。

上下巻は「ベルリン三部作」の第一部で、今後『ベルリン1933』『ベルリン1945』と刊行される予定、翻訳を手がけられた酒寄進一先生とは『赤毛のゾラ』以来にご一緒でき大変光栄です。
(2/14刊行)