2023-09-26

『北極百貨店のコンシェルジュさん』1、2巻をおさめた特装版がでます。本の内容は同じで、箱入りで少しだけおまけがついています。アニメ映画版が公開されるこの機会に、ぜひ見てください(10/12発売)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09179429

アニメ映画版の公開に合わせて特装版を刊行すると聞いて、アニメの絵が表紙になるのかなと思いましたが、編集の森岡さんが必ずしもそうとは限らないと言ってくださり、装丁の井上則人さんが漫画としていいデザインを作りましょうと言ってくださりさまざまに提案してくださったおかげで出来ました。背面のバーコードはシールで全面にイラストが印刷されているのが嬉しいです。

また、ビッコミで配信がはじまったそうです。
https://bigcomics.jp/series/81de9fc1fb67c

2023-09-17

原田ひ香さん『古本食堂』(ハルキ文庫)の表紙と章扉のイラストを担当いたしました。デザインは名久井直子さんです。

2023-09-02

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の日本版ポスターが本国A24から発売されました。限定500部、という告知が突然あって、その数分後には完売していました。

最近お腹を下しました。その原因として思い当たるのは「多忙による精神的ストレス」しかなかったので、いただいたご依頼をいくつかお見送りすることにしました。苦しみが去った後、そういえばこないだ賞味期限を過ぎている黒ごまかりんとうを一気食いしたなぁと思い出しました。ストレスではなかった、それなのにお仕事をお見送りしたため、これから精神がますます健康になる見通しです。

パリ観光

パリへ視察・・・ではなく、普通に観光で、お母さんを含めた家族で旅行しました。本当にただパリ周辺の有名な観光スポットへ行って観光をしただけですが、自分の漫画に関係あることも少しだけあったので、それを書きます。

『北極百貨店のコンシェルジュさん』を描くときボン・マルシェ百貨店などいくつかの老舗百貨店を参考にしました。パリにはボン・マルシェだけでなく、サマリテーヌやギャラリー・ラファイエットやプランタンなど19世紀末にできた最初期の百貨店が今もあります。

ボン・マルシェの有名なエスカレーターの象徴的な交叉する形(北極百貨店2巻の装画)は、そのエスカレーターに乗ってる自分自身からは見えないんだと知りました。初めて乗れて嬉しかったです。サマリテーヌのポン・ヌフ館は2021年に改築されたそうです。アールヌーヴォーを現代のカワイイに翻案したようなデザインを見ると日本のPARCOが思い出されて、でも本元の老舗だからより特別に輝いて見えてしまう自分の目が不平等だと思いました。

泊まったホテルのすぐ近く、パサージュ内にあるバンドデシネ屋さん(1932〜)は毎日扉を開けているので営業中と思われるのに、なぜかいつもバリケードが張られていて(写真)ここを力づくで突破する暴挙をためらったため、入店できなくて残念でした。

その他の(バリケードが張られてない普通の)バンドデシネ屋さんを何店舗かめぐるなかで『北極百貨店』のフランス語版も見かけて嬉しかったです。パリにはたくさん書店がありました。

ほかにもいくつかめぐりました。ルーブル美術館は展示が多すぎて気が遠くなりました。オルセー美術館は印象派やアカデミズムの絵を高速で見られてとても楽しかったです。狩猟自然博物館は小規模ながら動物たちを人間が征服した歴史にまつわるあらゆるジャンルの物が大量に並べられていて、オカルティックで雑多な品々が自分の好みに突き刺さりました。あとPolidorというレストランに行ったり、エッフェル塔の下で乗馬警官や偽ミッキーマウスやごみの山を眺めたり、観光客で超満員のモンマルトルを歩いたり、スリにびくつきながら毎日地下鉄に乗ったり、セーヌ川で半裸筋トレ集団を眺めたり、観光客がレンタル電動キックボードにノーヘル二人乗りで信号無視するのを何度も見かけたりしました。およそ初心者の自分が行くような定番の観光スポットはどこも観光客だらけで、ずっと遊園地にいるみたいな気持ちでした。フランス語が一切わからない自分にお店の人たちがとても優しく対応してくれたおかげで楽しく遊べたので、とても感謝してます。パリ近郊に住む日本人の方が、コロナ以降とくにパリの市民は夏季の観光客にうんざりしていると教えてくれて、記事で読んだ通りでした。パリ郊外へ出ると夢から醒めたような風景が広がっていました。

海外へ行くのは、小学生のとき家族で行った韓国以来でした。過去に海外の書店さんが招待してくれたりとか機会はあってもおもに出不精のために見送ってきました。フランスには去年アングレームの漫画祭にノミネートされたとき現地の出版社さんが費用を持ってくれるという大変ありがたいご招待をいただいたものの、万が一担当編集さんが同道してくださることになるかもしれないと心配を募らせ見送りました。今回すごい円安なのに自費でパリへ行くことにしたのは、高齢のお母さんが一緒に行きませんか?と誘ってくれたからで、こんな機会はもう何度もないと考え、小学生ぶりに家族旅行をしたいと思ったのでした。貯金をだいぶ減らしたけど行けてよかったです。

最後に 今回の旅で見かけたクマをいくつか貼ります。