2019-10-31

『西村ツチカ画集』が全国発売になりました。ぜひ見てください→

精細な銀箔押しや特殊な黒色インクを使ったり白色は2重に刷るなどの工夫が施された表紙の上に四色の変形帯を巻くという凝ったアイデアや、本文の紙がころころ変わる仕様はもちろんデザイナーの大島依提亜さんが考案してくださいました。絵自体も全てチョイスしてくださったので共著者さん的存在でもあります。このような多幸感のあふれる本にしてくださり本当に嬉しいです!ありがとうございます。

大島依提亜さんは先日打ち合わせの席でエイドリアン・トミネTシャツを着ていらしました。

2019-10-31

<イベント告知>
「海外マンガ」をマンガ家5人でワイワイ語る夜(入門編)→
サヌキナオヤ、かつしかけいた、真造圭伍、西尾雄太、西村ツチカ、森敬太(敬称略)
SPBS本店
2019年11月6日(水)20:00~21:30

2019-10-31

最近読んだ海外マンガ。이윤희(イ・ユニ)さんの『열세 살의 여름(十三歳の夏)』の絵が大好きです。『少女ソフィアの夏』や『This One Summer』とも似た、少女期の夏休みのお話で、韓国語を読めない自分でも、ページをめくっていると何となく話がわかるような、素朴なストーリーのようでした。大事な場面でセリフがわからないのは残念ですが・・・この作家さんは前作『안경을 쓴 가을(メガネをかけたGaeul)』が最高に好きで、そちらもやはり素朴なストーリーながら、より幻想的な内容と絵のかわいさに心をつかまれて、ファンになりました。翻訳されてほしいです。Amazon以外の通販サイトにあったので買おうとトライしました。YES24や教保文庫などは、外国人でも登録はできるものの、購入時になぜか韓国国内に在住する証明のIPIN認証を求められる謎の仕様のため買えませんでしたが、Aladinでなら買えました。海外通販なので一週間くらいかかるかなと思っていたら1日半で爆速到着したので驚きました。

「CIUT ZINE issue1」はポーランド発の15人の作家による学校生活をテーマにした自主出版マンガ雑誌です。以前からInstagramでフォローしていたxuhさんがクラウドファンディングを立ち上げられたので協力しました。15人の作家はどういう集まりなのか知りませんが作風は本当にバラバラです。中には自分がInstagramでフォローしていた人が何人かいました。セリフは英語なので気合を入れたら読めます。それぞれ画面が多様すぎます。エモくても雑誌の雰囲気のおかげか軽く読めて良かったです。表紙の女の子の絵は裏表紙につながっていてニセゴキブリ少女なようです。雑誌全体が隙あらばほんのりふざけてくる感じがとても楽しいです。こういう色んな作風のたわいのない短編がいくつも見れる本が好きだ〜と思い、自分が短編集でやりたいのはまさにこういうことかもと思いました。あとクラウドファンディングのリターンのグッズがかわいい。ここに写っていないボールペンも良いです。

2019-10-18

<イベント告知>
『西村ツチカ画集』刊行記念フェアとサイン会が、代官山蔦屋書店にて開催されます。

書籍の先行販売が10月26日からはじまり、11月25日までの一カ月間、トートバッグやTシャツや手ぬぐいやはんこなど数種類のグッズを出す予定で、いま制作中です。

サイン会は10月27日にあります。参加方法など詳細はホームページを見てください。電話で書籍を予約することが可能で、サイン会に参加希望の方はその旨お伝え下さいということです→
代官山 蔦屋書店 2号館1階 建築デザインコンシェルジュデスク10月27日(日)13時~15時


2019-10-11

<イベント告知 >
『西村ツチカ画集』刊行記念で、大島依提亜さんとのトークイベントがあります。
参加予約はこちら→
書籍の先行販売もします。30日からは、イラスト原画の展示も行います。
青山ブックセンター本店
2019年10月26日 (土) 13:00〜14:30

ほかにも、イベントなどについては随時告知していきます。

2019-09-27

以前、知り合いの先輩作家さんから「文化庁メディア芸術祭の受賞を辞退した」と聞いてびっくりしたことがあります。メ芸は応募制なので基本的に辞退ということはないはずですが、その方の場合は、雑誌編集部が無断で応募していて(漫画ではよくあること)本当に優れた作品だったために最高賞が内定してしまい、後で知らされたということです。自分もメ芸に自作を応募したことがあります。自分の場合はその方とは違い、積極的にメ芸を選び、編集部に確認もせず自ら応募しました。メ芸は最高の名誉だと思っていた自分にとっては、その方が一体なぜあえて辞退したか、折角もらえるものをなぜ拒否したか、意味がわかりませんでした。色々伺って一応納得したものの、心情としてはやはりわからないままでした。

でも今日初めてわかった気がしました。自分は受賞したとき死ぬほど喜んだし、その後の活動は全てその延長線上にあると思うので、今後も感謝しつづけます。そのうえで、今後は芸術に対して文化庁がとるふるまいをよく見ながら、自分がそういう作家である意味を考えたいと思いました。

2019-09-13

10月末頃に玄光社さんから画集が出ます。以前「イラストレーション」誌で西村ツチカ特集をしてくださいました(→)。

装幀は大島依提亜さんです。大島さんが手がけられた数々の素敵な装幀の中で、自分にとって最高に印象的だったのは「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」の図録です。表紙の黒箔押しから本文の紙からメチャクチャかっこいい本なのですが、内容のほうも小説版ムーミンや絵本版ムーミンの挿絵だけでなく、広告などの仕事、アトリエなどトーベ・ヤンソンに関する写真、作風の影響関係を考察したコラムや、来日時にホテルに残したラクガキや試し書きまで、300ページを超える盛りだくさんな内容で、さらに小さな冊子が綴じ込まれている遊び心もそなえた楽しい本で、トーベ・ヤンソンファンの自分は手にとった時に感激が押し寄せました。最高なので、ムーミン好きの方はぜひ手に入れてください。

西村ツチカ画集は、自分が今までの絵とマンガを、全て大島依提亜さんに見ていただき、そこから選んでいただくことにしました。自分は作風がたびたび変わり(漫画もですが)、どのように絵を並べても、一貫性が感じられないのです。だったら、時系列はバラバラで、テーマもなく網羅的でもなく、自由な感じで楽しさがつながっていく内容にしようと、編集者さんと3人で相談した結果、決まりました。楽しんでもらえたら幸せです。

束見本

多くの作家さんは、絵を描きはじめた当初は、色んな作風を試みると思います。自分はまだその段階なのです。稚拙な絵でも、こうしてまとめて見た時に、楽しさが何となく伝わってきたらいいなと期待してます。