おばあちゃん

小学2年の夏に母に連れられて癌で闘病中のおばあちゃんのお見舞いに行きました。自力で組み立てたタミヤのドラえもんソーラーカー「ソラえもん号」を持って行っておばあちゃんに見せたらようできたなと褒めてくれました。最初に走行させるところを見せようと思って持って来たけど、うす暗い病室のベッドから離れられないおばあちゃんには見せる方法がありませんでした。母と一緒に病院の広い屋上に出ると炎天下で急速にモーターがギュンギュン回りはじめました。地面に置くとソラえもん号は猛スピードで後ろ向きに走りだしたので親子とも爆笑しました。回路の配線が間違っていたのでした。風がごうごう鳴る屋上でソラえもん号は前輪の角度によって小さい円を描くように高速で周回しつづけてしばらく笑いころげました。病室に戻ってそのことをおばあちゃんに報告しました。

数ヶ月後に亡くなり、出棺のときは火がついたように泣きわめいたと後に母から聞かされました。その悲しさは今では思い出せず、爆笑した思い出ばかりが鮮明に残っています。

知り合いがinstagramに投稿していた、お子さんが自力で組み立てたエアエンジンカーを走らせる動画を見て思い出しました。