ムー

小学1年のとき自由帳に描いていた物語「ムー大陸に住んでいる一族」について紹介させてください。

「ムー大陸に住んでいる一族」(再現)とクマ


両親が共働きだったため、団地の中にあった児童館にしばしばお世話になりました。そこには近隣の子供たちが放課後に訪れ、宿題をしたり絵本の読み聞かせや野球盤やトランプなどをして過ごしました。館の奥にある広場というには狭いふれあいひろばへ向かうと、低い本棚に絵本が並んでいました。自分はその片隅で図鑑にまぎれて奇妙な存在感をはなつ10冊ほどの本に惹きつけられました。おそらく団地の住人が読み捨てて寄贈された、今思うと全てオカルト本で、自分が絶滅動物について知ったのもこの中の1冊からでした。それからというもの児童館で過ごす時間はアステカの水晶ドクロ、地球空洞説、MKウルトラ計画、スプーン曲げ、大予言、エリア51や地底人などめくるめく恐ろしい神秘の世界に胸ときめかせる想像の旅になりました。やがて自由帳に「ムー大陸に住んでいる一族」の物語を数冊にわたって描きはじめました。その内容は一切覚えていませんが、当時考えたキャラクターデザインははっきり覚えています。

のちにマンガを知り『AKIRA』などを熱狂的に模写しはじめますが、「ムー大陸に住んでいる一族」はそれ以前のはるかに稚拙で原始的な描きちらかしでした。今ここに戻っている気がします。おわり。