
2026-08-14

Tsuchika Nishimura Web site

まんだらけで買ってきた漫画のシュリンクを外そうとすると、カバーに貼り付いて剥がれず、何?と戸惑いながらなんとか剥がすと、カバーの表面で一部に施されているツヤツヤなUV加工が、見た目は透明のツヤツヤなまま、まるでガムテープのように強力な粘着面に変質していました。本書(『少女・ネム 増補版』)がいくつかの版において経年劣化によりこうなってしまうことは、漫画愛好者たちの間ではわりと知られた現象らしく、検索してみると「本棚で隣の本に貼り付いてしまい結局2冊とも破損した」といった事例がいくつも報告されていました。このUV加工はカバー絵のキャラクター部分と、タイトルや作家名などの文字部分に施されているため、紙などが貼り付いてしまうとこれらが覆い隠され、少なくともいずれかは確実に破損します。自分が本書を買うのはこれで3冊目ですが(2冊目はkindle)、実家に置いてきた1冊目も今頃こうなっているのでしょうか。

とても本棚に挿せない危険な本をどうやって部屋に置いておくべきかわからず、困りました。ふと、1950年代のシチュアシオニスト・インターナショナルによる表紙が紙ヤスリでできていて隣の本を破壊する本『Mémoires』のことを思い出しました。実際には、表紙が紙ヤスリだとしても、ブックカバーや袋に包めば簡単に無力化できそうで、ガチで危険というよりはあくまでコンセプトとしての危険さだったと思われます。それにくらべて本書がもたらす危険は本物で、ブックカバーにも袋にも貪欲に貼り付き、自らごと破壊しようとするものです。何かに包むことすら困難となると、一体どのような方法でこの本を部屋に持っておけるでしょうか?? みんなも10秒間考えてみてください。
自分が考えた解決策は、①本全体にブッカーをかける、②剥離剤を塗る、という2案でした。ただし①ブッカー(図書館の本みたいなフィルム)をかけた漫画が個人的に苦手ですし、またその材料を準備するまでの間この状態で放置もできません。ことは急を要す。そこで②剥離剤を選びました。剥離剤を塗りUV加工を溶かして布なりティッシュなりに吸わせることを、さっそく試してみたところ、ごくわずかに印刷にも影響したようでしたが、かまわずちまちま丹念に進めていくと、おおむねきれいにUV加工を除去することができ、ついにカバーを無害なものにすることに成功しました。よかったです!ちなみに使用した剥離剤は手元にあった「アロンアルフアはがし隊」です。デザインのツヤツヤな意匠は失われましたがこの際やむをえません。ややプレミアがついて3500円で買ったこの本のカバーを万が一どうにもできず捨てるしかないとなっていたら、ドス呑みでまんだらけに殴り込んでいたので、おたがい無事でよかったです。
本書の内容はもちろん今読んでも大変素晴らしい漫画でした。そもそも「HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION」と銘打たれた愛蔵版シリーズの一冊であることからして、あらかじめ後世に残す目的があったはずで、数年後に凶暴化してしまう装丁が最もふさわしくない類の本です。出版当時にはUV加工が流行したそうですが、まだ実験された例が少なく数年後の事故を予想しづらかったのかもしれません。とにかく、
続きを読む “凶暴化するメモリアル”「同行六人」というサークルで、8月23日のコミティア157に参加します。
谷口菜津子、真造圭伍、ポン豆ヤ、金子朝一、嘉江、西村ツチカという6人の作家が、2025年10月に瀬戸内観光を行い、それについて漫画を描きました。西村は10ページ漫画と表紙絵です。次のコミティアより後の頒布予定は今のところわかりません。ぜひ見てください!
COMITIA157
8月23日
11:00~16:00
東京ビッグサイト
1F西2ホール
【W14ab】同行六人



熊本県で発生した地震で被災された皆さまに一日も早く平穏が訪れることを祈ります。


いま大相撲は名古屋場所の最中です。活躍されているそれぞれの力士の方の出身の地域放送局を見ていくとおもしろいと気づきました。各局夕方のニュース番組内にその日の取組結果を受ける大相撲コーナーが用意されていて、各々が地元の力士を推すのでそれぞれ内容が異なっています。富山での朝乃山関の偉人ぶりとか、石川では大の里関・輝関・炎鵬関にそれぞれ青・金・赤を配した戦隊シリーズみたいなデザインが見られるとか、京都は藤ノ川関だけでなく宇良関までも京都にゆかりのある力士とみなして応援しているとか。ある局ではコーナー内で現地の解説の方と中継をつなぐほど力が入っていたり、またある局では淡々と結果を伝えていたり。今場所はウクライナ出身の力士2人がめちゃくちゃ活躍されていて、それにあたるものがなくてやや残念です。



今年3月にTVシリーズ『アトランタ』を、4年もかかったとはいえ一応完走でき、しかも最後まで面白かったという出来事があって、にわかに自信を得ました。ドラマが苦手でほとんど観てこなかった自分ですが、つぎにさっそく『ツイン・ピークス』を観ることにしました。『アトランタ』のDonald Glover氏の発言 ” I Just Wanted To Make ‘Twin Peaks’ With Rappers ” だけを信じて、いきなりDVDボックスを買ってみました。何も知らずに観はじめると、めちゃくちゃ面白くて最高の体験でした。追加でリミテッドイベントシリーズのDVDボックスも買い、終盤のほうでは観終えるのが惜しい「ロス」にもなれました。今度は4年間もかからず数週間で観終えました。こんなに楽しめるなんて、自分はもうドラマを克服できたのでしょうか? それともただ単に、世界でこれら2作だけが例外的に面白すぎるだけでしょうか? また何かを観て、たしかめます。