2026-09-08

コミティアの日の夜、新橋の台湾料理店「香味」で打ち上げをしました。店主の方が、あさり炒めと揚げパンという組み合わせを提案してくれました。あさり炒めのスープに揚げパンをひたすといいと。その通りに食べてみるとめちゃくちゃうまく、一同ブチ上がりました。その衝撃で時空の扉がブチ開きました。扉の向こうは新宿「上海小吃」で、自分が同じように揚げパンを何かの残り汁にひたしてブチ上がっているのです。あれはたしか新宿眼科画廊で行ったグループ展の打ち上げで、同じく出展していた嘉江さん谷口さんらも円卓を囲んでいました。そういえば当時は真造くん金子くんらと一緒に「ジオラマ」「ユースカ」という同人誌を作っていました。時を経てまた集まり「同行六人」を作っていることを、向こう側の自分はまだ知りません。こんなふうに時空をゆがませた揚げパンのほかにも、食べたものは何もかも全部おいしかったです。もう2週間前のことですが、いまだに印象的なので、ラクガキしました。

口内炎ができました。

ソーシャルメディアにふれると、タイムラインにあおられて気持ちよくうたっちゃいそうな胸の高鳴りと、当事者として責任をとれる自分ごとのみに発信を限るべきという観念が、頭の中で葛藤するたび、アバターに置きかえて自分の実体験を書き記すことによって両方を尊重できないかと模索した痕跡が、クマのラクガキとして現れていく。

2026-09-04

パリのボン・マルシェ百貨店の2階にあるイタリアンレストランPrimo Pianoの壁面にて、”Le grand magasin par Tsuchika Nishimura”と題し、『北極百貨店のコンシェルジュさん』の原稿やイラストレーションのプリントが展示されています。10月18日まで。

漫画の舞台である北極百貨店を描くさい最も参考にしたのが世界初の百貨店であるボン・マルシェで、作中でもしばしば言及しています。作中でウーリーという作家が北極百貨店で作品展を開く場面もあります。この漫画にとってこの場所で展示をすることは特別だと思います。この展示はSuper Japonというフェアの一環です。残念ながら自分は行けませんが、パリに行かれる方は、ぜひ見てください!

↓この場所で展示されているそうです。

同行六人、あります

『同行六人 瀬戸内編』を以下のお店で取り扱ってもらっています。大変ありがたいことです。一度売り切れても復活したり、再度補充させていただくことがあるかもしれないので、詳しい在庫の状況はそれぞれのお店にお問い合わせください。ぜひ見てください!

青山ブックセンター 

本屋B&B 

NEW PURE+

TUGBOOKS

シカク(予定)

nowaki(予定)

2026-08-24

コミティア157ありがとうございました!

ひさしぶりに参加でき楽しかったです。近年の印刷費高騰にもかかわらず、会場には10年前とあまり変わらないかわいい頒布価格の本もたくさん並んでいて、コミティアのコミティアたるゆえんを感じました。今回は合同誌を出すにあたり、価格についてことさら考えました。

自分が作ったものの価格を決めるさい、採算や市況による相場から決めることが一般的だと思いますが、その際「この価格はかわいくないのでは?」と頭をよぎることがあります。価格がかわいいかどうかは、大きな数字で悪目立ちしたくないとか、過去の自分が買えた価格に抑えたいとか、己の近過去の記憶からおのずと浮かび上がる感覚で判断されるのだと思います。だとするとインフレが進めば相場価格がどんどんかわいくなくなってしまう、という問題があるように思います。

問題といっても自分だけの感覚にすぎず、どうしても解消したければ赤字覚悟でかわいい価格をつけることもできます。ただその覚悟がインフレネイティブな世代から見てかわいいかどうかは不明です。ひいては格差の追認や職業倫理も問われかねないとも思います。価格のかわいさで勝負するなら大資本しか勝たんです。

作家にはかわいいものを作りたい気持ちがあると思いますが、その気持ち自体がつねにかわいいとは限らないと思いました。我々の同人誌には、相場の範疇でもなるべく無理のない価格をつけることにしました。ただ、かわいいものを作りたい気持ちは作家の最も素朴な創作の動機と深くかかわっている点は忘れずにいたいです。

凶暴化するメモリアル

まんだらけで買ってきた漫画のシュリンクを外そうとすると、カバーに貼り付いて剥がれず、何?と戸惑いながらなんとか剥がすと、カバーの表面で一部に施されているツヤツヤなUV加工が、見た目は透明のツヤツヤなまま、まるでガムテープのように強力な粘着面に変質していました。本書(『少女・ネム 増補版』)がいくつかの版において経年劣化によりこうなってしまうことは、漫画愛好者たちの間ではわりと知られた現象らしく、検索してみると「本棚で隣の本に貼り付いてしまい結局2冊とも破損した」といった事例がいくつも報告されていました。このUV加工はカバー絵のキャラクター部分と、タイトルや作家名などの文字部分に施されているため、紙などが貼り付いてしまうとこれらが覆い隠され、少なくともいずれかは確実に破損します。自分が本書を買うのはこれで3冊目ですが(2冊目はkindle)、実家に置いてきた1冊目も今頃こうなっているのでしょうか。

『少女・ネム 増補版 HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION』

とても本棚に挿せない危険な本をどうやって部屋に置いておくべきかわからず、困りました。ふと、1950年代のシチュアシオニスト・インターナショナルによる表紙が紙ヤスリでできていて隣の本を破壊する本『Mémoires』のことを思い出しました。実際には、表紙が紙ヤスリだとしても、ブックカバーや袋に包めば簡単に無力化できそうで、ガチで危険というよりはあくまでコンセプトとしての危険さだったと思われます。それにくらべて本書がもたらす危険は本物で、ブックカバーにも袋にも貪欲に貼り付き、自らごと破壊しようとするものです。何かに包むことすら困難となると、一体どのような方法でこの本を部屋に持っておけるでしょうか?? みんなも10秒間考えてみてください。

自分が考えた解決策は、①本全体にブッカーをかける、②剥離剤を塗る、という2案でした。ただし①ブッカー(図書館の本みたいなフィルム)をかけた漫画が個人的に苦手ですし、またその材料を準備するまでの間この状態で放置もできません。ことは急を要す。そこで②剥離剤を選びました。剥離剤を塗りUV加工を溶かして布なりティッシュなりに吸わせることを、さっそく試してみたところ、ごくわずかに印刷にも影響したようでしたが、かまわずちまちま丹念に進めていくと、おおむねきれいにUV加工を除去することができ、ついにカバーを無害なものにすることに成功しました。よかったです!ちなみに使用した剥離剤は手元にあった「アロンアルフアはがし隊」です。デザインのツヤツヤな意匠は失われましたがこの際やむをえません。ややプレミアがついて3500円で買ったこの本のカバーを万が一どうにもできず捨てるしかないとなっていたら、ドス呑みでまんだらけに殴り込んでいたので、おたがい無事でよかったです。

本書の内容はもちろん今読んでも大変素晴らしい漫画でした。そもそも「HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION」と銘打たれた愛蔵版シリーズの一冊であることからして、あらかじめ後世に残す目的があったはずで、数年後に凶暴化してしまう装丁が最もふさわしくない類の本です。出版当時にはUV加工が流行したそうですが、まだ実験された例が少なく数年後の事故を予想しづらかったのかもしれません。とにかく、

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