2025-07-21

同居人に嫌われたとき、自分のほうは好きだったので問題でした。当時の投稿を見返すと「今回の目標は、サブカル漫画が大嫌いな同居人にムカつかれないような漫画」とあり、それはまったく素直な気持ちでしたが、今思うとこんな屈託のなさも意図せず侮蔑を伝えていたのでしょうか。彼は侮蔑に敏感で褒めも簡単に受け取りませんでした。彼が家を出たあと彼を思って漫画を描いて、コミティアに出しました。商業誌で連載した頃はもし彼が読んだとしても憎まないですむ漫画であるように演出を練りました。しかし結局は気がゆるみ、最後に会ったときめちゃくちゃ遅刻してしまい、敬意も伝えられず、連絡先もアカウント名も何度聞いても最後まで教えてもらえませんでした。それで、今では心の中でアタックしています。

2025-05-11

先日母を殴打した暴漢を許せず呪いながら過ごす日々のなか、たまたまお仕事の打ち合わせの場所に高名な漫画家先生がいらして、一瞬あいさつを交わす流れになり、おそれながら敬意を表して大好きな作品名を申し上げたのですが、家に帰ってからその漫画を読み返してみたところ、呪いのバカバカしさを痛烈に思い知らされる内容で、爆笑してしまい、以前よりもっと大好きになりました。漫画は本当に最高!と感じた、母の日でした。

2025-04-28

その暴漢は自らは無傷のまま女性に痛みを与えることに大変たけており、非力で無防備な高齢者を選りすぐる確かな観察眼と、雑踏にまぎれ近づく周到さと、すれ違いざまの不意をつく打撃速度を誇っていたようです。神戸三ノ宮駅前の路上で標的に選ばれたのが母でした。一瞬ののち暴漢は悪辣な言葉を吐いて足早に立ち去り、混乱する母の上腕部にどす黒い痣が大きくひろがりました。

痛ましい凶行をどうしても未然に防ぎたいのに、凶行前は捕縛できず、凶行後は取り返しがつきません。世の理が暴漢の善意ばかり信じて待ってあげている間、自分にできることとして、呪いをかけようと思います。アイロニーの呪いをかけられた者は、どんな高く分厚い壁も半透明に見え、自らの信念の外部にいる思いがけない冷ややかな己自身を片時も見過ごせなくなるのです。