スペースで好きなバンドの話をして楽しかった日記

バスクのスポーツというプログレバンド(語れるほどプログレを知らないですが自分でもわかるくらい真摯に取り組まれてるのでそう書きます)が好きです。若手バンドにプログレという惹句が使われる場合たいていはところどころ変拍子や不条理展開をとりいれたくらいの意味かと思いますが、バスクのスポーツは本当に文字通りの意味でプログレだと思います。1stアルバム「運動と食卓」を聴いてください。

昔プログレの名盤といわれる作品をいくつか聴いたときは正直、歴史的すぎてピンとこないことが多かったですが、例外的にめちゃくちゃ好きになったバンドがいて、アレアというイタリアのバンドでした。強力な歌唱や即興演奏をまじえた多様な音楽性と学生運動が渾然一体となった地中海の熱気を感じて、その世界観がくせになってよく聴きました。バスクのスポーツを初めて聴いたとき、叙事詩的な物語のなかの祝祭的な哄笑の部分を中心に表現していくような姿勢にアレアっぽさを感じて、一発で好きになりました。そしてライブに通い「こんな風に演奏してるんだ」と認識するにつれ、不思議なことに今までピンとこずにスルーしてきたプログレの名盤たちが「もしかしてこんな風に演奏してたのかも…?」とより身近に感じられるようになり、そのとたんにわかに認識が転回して急にめちゃくちゃ良く聴こえはじめるという奇跡を体験し、バスクのスポーツから歴史をたどるように今もプログレを再発見してるところです。

最近ツイッターのスペース機能をよく利用してて、というのも自分は1.9万人近くフォローしているおかげかつねに誰かしらのスペースがタイムラインに並んでおり、知らない人のスペースにリスナーとしてお邪魔してラジオのように聴かせてもらう行為を繰り返してるのですが、先月あるスペースでイタリアンプログレについて話されてる方がいたので、初めてリクエストを送って一瞬だけスピーカーで参加し自分とフォロー関係ではなかったその方にバスクのスポーツをおすすめしました。そしたら昨日また別のスペースでその方と再会し、あの後ハマってくださったらしくバスクのスポーツの話をしました。

バスクのスポーツには過去の色々なプログレの良かった瞬間が凝縮されており良すぎる、それも特にピンクフロイドのサイケデリックブルースの部分以外のプログレだね、と話されていたので、バスクのスポーツがコロナ禍で配信した無観客ライブ「Live at Neo Pompei」を話題に出すと、「たしかにピンクフロイドのLive at Pompeiも無観客ライブだから引用に必然性がある、ピンクフロイドのは当時流行ったウッドストックフェスの逆張りとしての無観客だったけど、バスクのスポーツはコロナ禍でくしくも無観客の方が通常になってしまった現状を表してる」というような反応をくださり、自分は誰かとそういう会話ができたことが初めてで、嬉しかったです。

ただ自分がそんな風にコンセプトに思いをめぐらしたのは今頃になってからで、リアルタイムの時はギターのカミヤさんがおもむろに透明人間に変身するパフォーマンスに爆笑してただけだったことを正直に記しておきます。

2016年末に「Regatas de traineras」のMVで知り、練り上げられた祝祭的なエネルギーの純度の高さに胸を打たれました。この映像が本当に好きで、躍動する4人の姿を見ていると心が洗われます。かつて青春パンクというジャンルが流行りましたが、もしも青春プログレというものがあるとしたらこんな風であってほしいです。

2018年のシングル「Sandbox」では打ち込みの導入や藤倉麻子さんによるアニメーションの新鮮さもあって1stアルバムとはまた別の新しい感触を模索している感じが伝わってきました。こちらもとても大好きです。